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硝子秘伝書

その2 硝子の切断

第2回目の今回は、予告通りガラスの加工、その中でもホイールを使用したガラス板の切断に関する話題です。

材料を切断する方法は世の中に種々あり、その材料の特性にマッチした方法が使われます。ガラス板をホイールで切断(実際には切り筋を与えた後、曲げて破断させる)する方法はガラス板の特性を見事に応用した方法と言えるでしょう。それほど精度を要求しなければ、高価な機械装置は必要でなく手切りで十分目的を達成することができるからです。

これほど手軽にガラス板を切断できる方法ですが、加工精度を上げるとなるとやはりいろいろな問題に直面します。一番大きな問題は、破断時の切り粉です。この切り粉がガラス面に付着してしまうとなかなか取ることができません。そして切り粉が付着したガラス板を電子基板用として使用する場合、種々の災いをもたらすことは周知のとおりです。

ではガラス板をホイールで加工精度よく切断するにはどうすればよいか?そのあたりの話題を過去の経験をもとに取り上げてみました。

ホイールを用いた切断では、加工精度に影響する要因を概ね次の4つに絞ることができます。すなわち設備面からは、ホイールそのものとホイールの働きを最大限に発揮させる設備、切断条件からは、荷重、速度が2大要因です。この4つの要因の組み合わせが切り粉の発生を含む加工精度を決定します。ホイールの材質はメーカー推薦の固い材質を使用するのが無難、表面粗度はある程度粗い方がガラスへの「くいつき」が低荷重でもよくなり切り筋が入りやすくなります。俗にいう刃先角度は、鈍角の方が切り粉の原因となる水平クラックをおさえますが、破断に必要な長さの垂直クラックを与えるのに荷重を強くかける必要があります。このため薄板に使用しますと割れの問題が発生する可能性があります。ホイール以外の設備面では、剛性や精度が確保されていることが必要です。加工条件からは、速度が遅いと垂直クラックが入りにくく切断が困難になりますので、ある程度以上が必要です。荷重は刃先角度との関連で板厚に依存して決める必要があります。結局は、高剛性、高精度の設備のもとで可能な限り鈍角の刃先角度をもつホイールを用いることがキーポイントではないかというのが経験から得た実感です。

最後に、切断といえば高校時代の恩師が「剣の達人とそうでない人の違いは、剣の達人は剣を振り下ろす方向と刃の方向が完全に一致しているが、そうでない人は刃がたとえほんの少しでもいわば寝た状態で振り下ろされることだ」と言われたことが妙に印象に残っています。次回はガラスの加工の内、研磨の話題です。ご期待ください。

NTR News第14号 (2001年1月1日発行) に掲載

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