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硝子秘伝書

その4 ガラスとIT

第4回目は、ガラスとITに関する話題です。ITの中でも今回はコンピューターシミュレーションの話題です。コンピューターシミュレーションはご周知のようにコンピューターによる数値計算で物理的化学的現象をシミュレートする手法です。昔に比べてコンピューターのハードが急速に発達している昨今では研究や開発の有力な手段となっていることは世の中の常識と言えるでしょう。

このコンピューターシミュレーションをガラスに応用する分野は無限にあります。

ガラスの熱的、機械的、電気的挙動の解析からガラスの分子設計まで現象を支配する方程式が既知であれば基本的にはその現象を数値計算できます。多くの現象を解析する既成のソフトが世の中に存在していますから、たいていの場合それらのソフトで用が足ります。大事なのは現象をよく理解し、それに適用できるモデルを考えることと思います。私も簡単な熱的、機械的な問題は今でも既成のソフトを利用して自分で解いております。NASTRANなどはパソコン上で走るWindows版が市販されており、これ1つあれば多くの問題が解決できることと思います。またモデルを作成したり計算結果をビジュアル化するFEMAPのようなソフトもWindows版が市販されており、25年前大学の大型計算機センターを利用してシミュレーションしていた頃に比べれば隔世の感があります。

fig1

パソコンによる材料設計」 平尾一之著 より

さて今一番ホットなガラス分野でのテーマはやはりあるガラスの物理的化学的特性を有するガラスの設計と思います。従来、ガラスの特性を出すためには試行錯誤の実験が不可欠でした。この試行錯誤の実験が完全にシミュレーション化されるとガラスの研究開発に革命が起きるのではないでしょうか。それほどインパクトの大きいテーマと思います。

もう一つ分析会社に身を置く人間として興味を抱いているテーマがシミュレーションを活用した測定です。多くの測定はデーター処理を中心にコンピューターを利用していますが、シミュレーションを活用することで今まで実現できなかった測定をも可能にするというテーマです。ますます高性能化するパソコンと柔軟で独創的な頭脳があればガラスに関するどんな問題でも解決できるような気がしてきます。

次回はガラスと成形に関する話題です。ご期待ください。

NTR News第16号 (2001年8月1日発行) に掲載

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