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Glass万華鏡

第5回 マジックミラーはなぜ片側からしか見えないのか?

子供のころ初めてマジックミラーを見て、なぜだろうと不思議であったことを覚えている。一方からは普通のカガミ、反対側からは全てが見えているなんて不思議以外の何者でもない。通常、透過率はどちらの面からも同じになるのが常識である。これはなにやら小難しい技術が使われているのではないかと考えてしまう。

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実はマジックミラーの原理は簡単なものである。マジックミラーには透過率が約30%、反射率が約30%の半透鏡(ハーフミラー)を用いる。この半透鏡を通して明るい場所から暗い場所を見ると光が反射して単なる鏡に見え、暗い場所から明るい場所を見ると映り込みが少ないので向こう側が良く見えるのである。夜中の部屋の中から外は良く見えないけれども、外から部屋の中が良く見えるのと全く同じである。なので、明るい部屋からでも近づいてよく見ると向こう側が透けて見えることがある。

ハーフミラーはガラスの片面に、クロム、SUS等を半透明になるくらい薄く成膜して作製される。それだけである。ここまで聞くと「なんだ、それだけのことか」と思ってしまうが、よく思いついたと感心してしまう。

機能的に近いものとしては熱線反射ガラスがある。ビル等の建材に利用されているもので、太陽光により室内が暑くなるのを防ぐ、逆に室内の暖気が外に逃げにくくするなど、冷暖房の負荷軽減を目的に利用される。半透鏡とほぼ同じ方法で作製されるものから、積層により特定の色調を呈するものまで様々な商品が世に存在するが、2次的にマジックミラーの性能を併せ持っている。

これらのミラー性能を有するガラスは、建物の外観や、外から中が見えないという点で重宝される場合もある。しかし、明るさの差を利用している以上、夜のなると外から中が見えてしまう。このようなプライバシー保護の目的ではミラーよりも曇りガラスのほうが優れている。液晶をガラスで挟み込むことにより電圧で透明ガラスと曇りガラスを切り替えるという製品も世にあるが、様々な理由からまだまだミラーが主流のようだ。夜でもマジックミラーの性能が発揮できるような製品が期待される。

NTR News第23号 (2003年12月15日発行) に掲載

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