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Glass Library
第2回 天然のガラス
身の周りには様々なガラスがあふれていますが、天然ではガラスはほとんど存在しません。天然のガラスをいくつか紹介すると火山起源、生物起源、隕石起源、あるいは落雷起源などがあり、多くは火山起源のものです。
火山起源のガラスの多くは火山岩と呼ばれる岩石中に存在します。火山岩というのは地表付近で急冷されてできた岩石で、流紋岩、安山岩、または玄武岩がその代表です。これらの岩石は少量の結晶鉱物以外はさまざまな成分から出来上がった石基と呼ばれるガラス質で形成されております(正確には同定不能な微細結晶の集まりであることが多い)。しかし、石基部分が完全にガラスであることは少なく、日本では小笠原島に産する無人岩(安山岩の一種)が有名です。
結晶鉱物がまったく無く、ガラス質の石基のみからなる岩石では流紋岩と同じ化学組成である黒曜石やピッチストーンが有名です。これらは割ると鋭利に尖る為、古くは石器に用いられ人類が用いた最初のガラスといえるでしょう。黒曜石は黒色のガラス光沢をもつ岩石ですが、ピッチストーンは水分を多く含んでおり見かけは黒曜石とだいぶ異なって緑褐色の樹脂光沢を示します。ピッチストーンには球状の割れ目が激しく発達したものがあり、そのような岩石を真珠岩(パーライト)と呼びます。パーライトは透水性、保水性に優れており建設資材やガーデニングに使用されておりますのでご存知の方も多いと思います。
また、結晶鉱物を含むガラス質の岩石ではシチリア島と日本の新島にのみ産する流紋岩質溶岩でコーガ石(通称)が有名です。コーガ石は気泡が多い多孔質の岩石で、水に浮くほど軽量で耐熱性等に優れているため、建材用等に広く使用されています。コーガ石を利用した新島特産のガラス工芸もあり、淡い緑色をした独特の風合いを持っていて綺麗です。
それ以外の火山起源では火山灰ガラスや温泉の噴出し口などで見られる珪華(オパール)があります。珪華(オパール)は水分を多く含んだ非晶質のシリカ(SiO2・nH2O)ですが、水分が抜けるとSiO2になってしまうため正確にはガラスではありません。生物起源である珪藻土は珪藻等のオパール質の殻をもつ生物の遺骸が堆積してできた堆積岩です。オパールですので珪華と同様に正確にはガラスではありません。珪藻土も吸水性、断熱性に優れているため建設資材やガーデニング等に広く使用されています。隕石起源では隕石が落ちた際に隕石の一部や地上の岩石が溶けてできたテクタイトという岩石があり、美しい色をしているものは宝飾品に使用されたりしております。落雷起源では落雷により地表の岩石が溶けてできた雷石(フルグライト)があります。
確かに天然にはほとんどガラスは存在しませんが様々な種類があり、いろいろな用途に使用されているようです。
<参考文献>
鉱物・岩石:保育社
産地別すぐわかるガラスの見分け方:東京美術
Virtual Museum of Gems & Gem Crystals:オパール (http://www15.plala.or.jp/gemuseum/gemus-opal.htm)
まほろん(福島県文化財センター)(http://www.mahoron.fks.ed.jp/kiyou/2001_34_5.htm)
株式会社吉村造園:コーガ石 (http://www.yoshimura-zouen.co.jp/zairyouutiwake/kurotuti.html)
※NTR News第25号 (2004年8月1日発行) に掲載

