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Glass Library
第4回 結晶化ガラス
ガラスの定義のひとつは非晶質であることです。これに対して、結晶化ガラスはガラス中に微細な結晶粒子が析出したもので、全体としてはガラスではありません。しかし、ガラスから作られ、マトリックス(析出物以外の部分)がガラスであるのでこのように呼ばれております。例えて言えば、斑晶と石基からなる火山岩と同じような構造というわけです(例えがわかりにくい?)。
ガラス作製時に失透と呼ばれる不良が発生することがあります。これは溶液の冷却工程における問題によって一部のガラス成分が結晶化し、粒界散乱によって不透明になった現象です。結晶化ガラスは非晶質と結晶の微妙なバランスを支配する要因を制御することによって作製され、不透明なものだけでなく透明な結晶化ガラスを作成することも可能です。通常は成型済みのガラスを再加熱し、一旦、結晶の核生成速度が最大になる温度に保持した後、結晶成長速度が最大となる温度まで加熱します。こうすることで、作りやすく気泡の無い均一なセラミックとなる上、高温から冷却してきた場合よりも速く結晶化を進めることができます。具体的にどのような温度で実施するかはDTA(示差熱分析)を用いて決定されます。まず、DTAにてガラス転移点と結晶化に伴う発熱ピークを確認します。ガラス転移点から結晶化による発熱ピークが得られる温度までの何点かで熱処理を行った試料を作成し、これらを再びDTAで測定すると核生成の多い試料ほど大きな発熱ピークを得ることができます。
結晶化ガラスは低膨張、高耐熱、高絶縁性、強誘電性、化学的耐久性、耐機械強度に優れていることが特徴で、外観や耐熱耐火用途としての建材やインテリアのほか、熱のかかる調理器具や食器などの身近な製品、天体望遠鏡、プロジェクター、通信用途の光学用部品、精密機器などの精度向上のために低膨張(ゼロ膨張)が求められる部品に使用されております。
<参考文献>
ガラス工学ハンドブック、朝倉書店
セラミックス基礎講座4 はじめてガラスを作る人のために、山根正之 著、内田老鶴圃
※NTR News第27号 (2005年4月1日発行) に掲載

