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第9回 ガラスの原料と組成
NTR Newsバックナンバーを見ているとガラスの組成について記載した号は多いものの原材料についてはまったくかかれていないことに気が付きました。そこで、今回はソーダライムシリカガラスを原材料から確認してみます。多種多様ある硝子のなかで一番多く安価で入手できるのがソーダライムシリカです。窓ガラス、自動車ガラス、スライドガラスなどに使用されている少し緑がかったガラスです。
ソーダライムシリカガラスの原材料は、主に珪砂(SiO2、(Al2O3)源)ですが、その他に石灰石(CaO、MgO源)、ソーダ灰(Na2O源)、苦灰石(MgO、CaO源)、ボウ硝(Na2O源、清澄剤)などが含まれます。ソーダ灰や石灰石はガラスを溶融しやすくするために入れられます。ボウ硝は清澄のために入れられます。清澄とはガラス化反応の最終段階でガラス素地に含まれる気泡を除く作業のことを言います。これにより名前の通りナトリウムとカルシウム成分の多いガラスが作られます。
珪砂は火成岩の風化により石英が主成分鉱物として残留した堆積物で、約98%以上のSiO2を含みます。それ以外の不純物としてFe2O3、Al2O3、K2O、Na2O、CaO、MgO、TiO2などの地殻主要元素を含んでいます。ソーダライムシリカガラスは少し緑色に見えますが、それはFe成分によるものです。石灰石 (CaCO3) にも同様に不純物が含まれております。ボウ硝 (Na2SO4) やソーダ灰 (Na2CO3) は化学的に製造された原料を使用しますが、当然不純物を含んでおります。このようにほぼ天然の原料をそのまま使用しますので、様々な成分を含んだガラスとなります。とはいえ、品質管理の上では原材料の組成管理が重要なのは当然のことです。
SiO2のみの組成からなる溶融石英ガラスは珪砂よりも不純物が少ない天然の水晶を溶融して作られますのでソーダライムシリカガラスよりも高温での処理が必要となります。また、純度向上のために材料の精製技術が必要となります。ソーダライムシリカガラスも不純物(特に不溶成分)に対してシビアですが、石英ガラスや光学ガラスはさらにシビアな組成管理が求められます。
ソーダライムシリカガラスはアルカリでガラスを溶けやすくしてコストダウンを図っており、さらにフロート製法によって大量生産が可能ですので、ガラスのヤケを引き起こす悪玉Naもコスト面で最大限に生かされていることがわかります。ガラスのヤケについてはNTR Newsの第20号(Glass万華鏡)および第30号(Glass University)に詳しく掲載されていますのでぜひご参照ください。
※NTR News第32号 (2007年1月4日発行) に掲載

