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光学薄膜技術紹介(1)
−真空プロセスによる成膜技術−

はじめにNTRで利用頂ける成膜方法基板表面の重要性膜材料関連ページ

NTR News第13号 (2000年8月21日発行) に掲載

はじめに

現在、光学薄膜はディスプレー表示、通信、住宅窓ガラスなど様々な分野で使用されています。私たちが馴染み深い光学薄膜としては、虹色に光るシャボン玉があります。シャボン玉の膜は非常に薄く、その厚さは数ミクロンてす。また、“玉虫色”といわれる玉虫に見られる色も、薄膜による光学干渉によって見られるものです。

人の手によって最初に作成された光学薄膜は約180年前にFraunhoferが作成した反射防止膜と言われています。これは化学エッチングによって作成された反射防止膜であったようです。また、現在において最も汎用的に使用される真空中スパッタリングで形成される薄膜が発見されてから、約150年が経過しました。

これらの発見から現在までの間に、膜の世界では、成膜装置、光学薄膜の特性計算方法、膜厚制御技術、材料等さまざまな面で進展しています。これらの進歩により、光学薄膜技術は、現在の情報電子産業を支える重要な技術に成長しています。

NTRにおいても情報電子開係の薄膜開発、試作などの御依頼が年々増加しており、世間の状況を映しているような状況です。

そこで、今回はNTRの真空プロセスによる成腹の技術を紹介し、次回のNTRニュースでは光学薄膜の設計技術について紹介します。

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NTRで利用頂ける成膜方法

NTRにてご利用いただける成膜方法は、電子線蒸着、マグネトロンスパッタリング成膜、イオンプレーティングの3種がこ利用いただげます。各成膜法の特徴は、以下のようなものです。各方法にメリット、デメリットがあります。お客様の二一ズに合わせて成膜方法を提案いたします。

成膜方法 メリット デメリット
マグネトロンスパッタ ・緻密な膜が得られる
・大面積に均一に成膜可能
・低温成膜でも比較的高品質の膜が形成可能
特定材料で成膜速度が遅い
電子線蒸着 ・膜厚制御性が優れる
・成膜速度が速い
・低温成膜の膜は膜密度が粗
・膜厚に面内分布があり、大面積基板への成膜が困難
イオンプレーティング ・膜厚制御性が優れる
・成膜速度が速い
・蒸着膜より膜が緻密である
膜厚に面内分布があり、大面積基板への成膜が困難

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基板表面の重要性

成膜装置

膜質を制御するためには成膜方法、成膜条件等は重要ですが、これら以外に基板表面(成膜後は膜と基板の界面)の状態が非常に重要です。特に基板表面の洗浄度が膜の特性を大きく左右することが知られています。

例えば、銀の様に凝集エネルギーが大きな材料では、膜と基板の界面エネルギーを低くしなければ、付着エネルギーより凝集エネルギーが勝ります。その結果、膜が2次元的な連続な膜にはならず、島状の不連続な膜になってしまいます。

このように膜と基板の界面自由エネルギーを制御することは重要であり、特に基板表面から不純物を徹底的に除去することが必要です。成膜前の基板の洗浄は、後に成膜される膜の性質を決めると言ってもよいほど重要です。

上述のように重要な洗浄を、NTRでは以下のような各種の手法を用いて行っています。お客様の基板に適した洗浄方法を提案しています。

  • アルカリ洗浄
  • 有機洗浄
  • プラズマ洗浄
  • 紫外線洗浄
  • 研磨

しかし、上記のような手法により十分な洗浄を行った場合でさえも、膜の付着力が弱い場合もあります。そのような場合には、基板表面を修飾する必要があります。基板表面の修飾方法としては、アンダーコート膜の適用(選定)、カップリング剤による表面化学修飾、などの技術が有効です。

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膜材料

NTRでは各種材料の成膜実績がありますが、その一部を以下に紹介します。

光学薄膜の材料選定では光学定数(屈折率、吸収係数)が最も重要です。また、光学薄膜の用途に合わせた材料を選定する必要があります。例えば、紫外線が照射される環境で使用されるフィルターに紫外線吸収材料を使用すると、膜劣化の原因になる場合があります。この場合、紫外線を吸収しない材料を選定することが重要です。

さらに、成膜方法にあった膜材料を選定する必要があります。例えば、蒸着成膜では金属窒化物の成膜は不可能です。反対に、マグネトロンスパッタではAl2O3膜等は成膜に非常に時間がかかり事実上困難です。NTRでは、上述の諸々の状況を考慮して、最適の膜構成を提案しています。

透明誘電体膜 高屈折率 TiO2, HfO2, Ta2O5, Nb2O5, ZrO2
中間屈折率 Al2O3, MgO
低屈折率 SiO2, MgF2
透明導電膜 ITO, ZnO (Al) 等
金属膜 Au, Ag, Al, Cu, Pt, Ta, Ti, Nb, Zr, W, Cr, SUS 等
金属窒化物 TiNx, TaNx, SiNx 等

このページの情報に関するお問い合わせは、当社四日市事業所までお願いいたします。

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関連ページ

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