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ガラス組成分析に関連した分析手法

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NTR News第23号 (2003年12月15日発行) に掲載

製品の組成分析や不純物分析は、研究開発や製造技術を通して、また特許や環境問題に直結する重要な分析です。NTRでは各種ガラス・セラミックの分析ではお客様のどんなご要望にもお応えできると自負しております。ガラスの分析でお困りのときは、取りあえずお問い合わせください。以下には、ガラス組成分析に関連した分析手法をご紹介いたします。

1.ガラス組成分析

大抵のガラスは10種類程度の成分を含みます。また、微量成分の付加が特性を左右する場合が多く、組成分析ではppb〜数10%オーダーの範囲をカバーする必要があります(表1参照)。このため、元素の種類および含有量に応じて分析手法を選択しなければなりません。

表1.ガラスの組成分析のオーダと特徴

  含有量 目的・効果
主成分 数10% 全体の特性決定
副成分 数% 全体の特性決定
微量元素 数%〜0.01% 付加価値など
不純物 0.1%〜ppb 特性変動、欠点など

分析手順を図1に示します。まず、分析目的から特別な前処理が不要な蛍光X線分析(XRF分析)を適用できるかを判断します。

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図1.元素分析のフローチャート

1)蛍光X線分析

試料にX線を照射し、発生する蛍光X線が元素固有の波長を持つことから元素分析が可能です。発生したX線強度を用いて定量分析が可能ですが、検量線が必要となります。図2に装置概要を示します。

fig2

図2.蛍光X線分析装置の構成図

この分析手法の最大の利点は、相対誤差がわずか±0.1%であるため、組成変動などの管理分析に適している点です。煩雑な前処理が不要のため、製造現場でお使いの方も多い分析装置ではないでしょうか?

photo1

実際の定量分析としては、手間のかかる検量線法ではなく、FP(ファンダメンタルパラメーター)法を用いると簡便な測定が可能です。FP法とは、『分析対象試料とよく似た組成で含有量が既知のもの1〜3個を標準として各成分の感度係数を算出し、これによって定量分析を行う』といった方法です。つまり、元素の含有量や共存元素の影響などを考慮した定量値を得ることができるのです。また、NTRでは比較的容易にガラス作成を行うことができますので、標準試料を作成して検量線を得ることも可能です。NTRでは蛍光X線による定量分析に必要な標準ガラスを600種類以上保管しており、迅速で精度の高いデータをご提供いたします。

蛍光X線が適用不可の場合、湿式分析や他の機器分析を選択します。

2)湿式分析

ガラス組成分析の分野で代表的な例といえば、SiO2を分析する重量分析法です。JISで決められている「凝集法」は、融解したガラスをコロイド状にした後、試薬を添加して、SiO2を凝集させたものを灰化して重量を測定するという方法です。ガラス中で含有量の高いSiO2は濃度や目的により最適な分析手法を選択する必要があります。およその目安を図3に示します。

fig3

図3.ガラス中のSiO2の分析方法

3)機器分析

原子吸光法やICP(誘導結合プラズマ)発光分析、ICP質量分析などがありますが、今回はNTRにおけるICP発光分析についてご紹介します。ICP発光分析は、高周波誘導結合プラズマを励起源とする発光分光分析で、高温のアルゴンプラズマに霧化した試料溶液を導入し、得られた発光スペクトル線の波長と強度から元素の定性、定量をする手法です(図4参照)。

fig4

図4.ICP発光分析の原理図

主な特徴は以下のとおりです。

  • 希ガス、ハロゲン、窒素、酸素などの元素を除くほとんどの元素についてppm〜ppbレベルの高感度で高精度な測定が可能です。
  • 元素間の干渉が少ないために共存元素の影響を受けにくいです。
  • 検量線の直線性が広いため、定量可能範囲が広く、微量から主成分までの多元素の同時定量ができます。

弊社のICP発光分析では、試料導入前に超音波ネブライザーによる濃縮を採用しております。この方法により、微量成分を精度よく分析することが可能となり、たとえばFeは通常の約50倍の感度向上となります。化学分析と蛍光X線分析の比較を表2にまとめます。

表2.化学分析と蛍光X線分析の比較

分析方法 化学分析 蛍光X線分析
試料 状態を問わない(液体) 液体以外の試料
定量範囲 主成分から微量成分
ng/g〜99wt%
主成分から微量成分
μg/g〜95wt%
定量誤差 相対値 0.2〜3% 相対値 0.2〜5%
分析試料量 微量可能、0.1g以上 10g以上、2×2cm以上
分析時間、納期 時間がかかる(1日以上) 短時間(1時間程度)
対象分野 研究開発、トラブル対策 生産管理、原料管理

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2.ガラス中金属の価数分析

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ガラス中のFeは2価の場合にはガラスを青色に、3価は緑色に着色するため、ガラスの着色でよく議論される項目です。この分析には「比色法」を活用します。まず、分解したガラスに特定の試薬を加えて、2価のFeを発色させ2価のFe量を知ります。次いで試薬を加えてガラス中に存在する3価のFeを2価に還元して全体のFe量を知ることで、3価のFe量を測定することが可能となります。ガラス中の1%に満たないFeの価数分析はNTRの得意とする項目です。

化学分析Gのメンバー全員が化学分析一筋のベテランで、長年の知識と経験を駆使し、速く・正確をモットーに、お客様のご要望にお応えします。ぜひご相談ください。

photo3

なお、NTRでは放射性同位元素を取り扱うことはできませんので、ご了承ください。


このページの情報に関するお問い合わせは、当社伊丹事業所までお願いいたします。

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