失透試験(液相温度測定・結晶相の成長速度測定)

測定原理・特徴測定条件測定例測定不可能な事例

測定原理・特徴

ガラスは相平衡図(相図)における液相温度以下では、相律に基づけば同組成の結晶体と比較して不安定な状態にあります。そのため、ガラスはすべて結晶相に変化する可能性を有しています。したがって、ガラス溶融状態から常温まで徐冷する際に液相温度以下の適当な温度領域に保持するか、一度、固体状態になったガラスを、原子の再配列が起こりうる温度まで再加熱すると、ガラス中から結晶が析出します。この状態を失透(結晶化:crystallization)と呼びます。

失透試験では、1〜3成分系のガラス相図だけでは対応できない多成分系のガラスの失透現象を把握するために、液相温度(失透温度)の測定を行います。熱勾配を設けた電気炉を用いてシンター法(Ptボート中にガラス粉砕物やバッチを入れて試験)にて測定します。

図.シンター法による測定概念図

測定によって、液相温度(=結晶の晶出が開始する温度)、結晶相の同定、結晶相の成長速度(結晶成長曲線)を知ることができます。

結晶相の同定には、薄片を作製し、結晶の形状や光学的特性を偏光顕微鏡を用いて確認します。また、EPMAによる組成分析法を用います。

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測定条件

測定温度領域 600〜1450℃
必要試料量 200g以上/1試料あたり
測定時間 4日以上/1試料あたり

サンプルを白金ボートに入れ、温度勾配を設けた電気炉を用いて処理を行います。
各温度における反応性を見ることが出来ます。
1回の処理で250℃の温度領域をカバー出来ます。

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測定例

失透試験では、例えば以下のような現象を把握することができます。

  • 組成変化させた時の失透への影響はあるのか?
  • どのような失透物が何℃くらいに析出するのか?
  • 結晶成長しやすい温度域は何℃か?

図.失透試験例

図.結晶成長速度測定例

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測定不可能な事例

  1. バッチの溶解過程において揮発成分の多いガラス
    注)ガラスの作製の際に、組成を保証できなくなるため。
  2. 液相温度測定領域を含む温度領域で分相するガラス

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