ガラス原料評価の概要
評価概要
大量生産されるガラス(例えば、板ガラス・ビンガラス etc…)の原料として、天然の鉱産物資源を利用している場合が極めて多いです。また、工業生産の副産物を用いる場合もあります。したがって、原料の新規導入のための品質調査や原料に起因する製造トラブルの調査には、様々な分野の解析技術を用いた対応が必要となります。ここでは、ガラス原料(天然の鉱産物資源・合成原料)の導入を予定されている場合の評価において、必要と考えられる解析手法をご紹介いたします。
評価方法
1) 含有成分(組成)の分析
原料の品質として重要と考えられているのが組成です。含有成分の組成分析では、SiO2・Fe2O3・Al2O3 などの定量分析を行いますが、利用目的によりその精度が異なる場合が往々にしてあります。例えば、窓ガラスを製造する場合と石英ガラスを製造する場合のSiO2の検出限界に対しては、要求品質が異なります。
これはほんの一例ですが、その他にも様々な用途の原料に対して、様々なニーズが発生します。これらのニーズには、それぞれ異なる分析手法を用いる必要があり、当社では蛍光X線、化学分析、あるいは超微量分析まで、それぞれのニーズに合わせた分析手法を提案・実施いたします。
2) 粒度(粒径)分布測定
ガラスの製造の場合は、一般的に高温での溶解が主になりますので、原料の溶解性に影響を及ぼす粒径の安定化は必要不可欠です。当社ではJIS篩(ふるい)を用いて分級を行っております。
3) 重鉱物・混入物の調査
天然の原料には難溶解性の重鉱物や輸送時の混入物を含む場合があります。ガラス製造時の欠点の流出を防止するために、不良の原因となる可能性がある重鉱物や混入物を事前に確認しておくことが重要です。重鉱物は珪砂や長石などに含まれますが、同じ鉱山から産出された原料でも採鉱場所によって重鉱物の含有量や構成鉱物の割合が異なります。原料の品質の安定には定期的な評価が重要です。
4) 溶解性の調査
溶解性の調査には2種類あります。ひとつは「原料の溶解性評価」、もうひとつは「重鉱物の溶解性評価」です。
「原料の溶解性評価」では温度勾配炉を用いて溶け残りや脱泡の状態を評価します。同じ原料でも産地や粒度によって溶解性や脱泡状況が異なりますので、原料の変更時には実施しておくべき評価です。
「重鉱物の溶解性評価」では、難溶解性鉱物を磁力選鉱や比重選鉱を用いて取り出し、一定温度での溶解時間と粒径変化を評価します。このとき、粒子の状態もガラスの溶解性に影響を及ぼす場合がありますので、球状・長粒状・クラックの多少等の状態を明らかにすることで、溶解性への寄与が推定できます。これらの状態の観察には、顕微鏡あるいはSEMによる観察など、その粒径により様々なアプローチを行います。
実施例
弊社ではガラス原料全般について実績を有しております。
珪砂、長石(アルミのケイ酸塩質原料)、石灰岩、苦灰岩(ドロマイト)、ソーダ灰、ボウ硝、その他各種天然原料・合成原料に対応いたします。JIS規格での組成分析も可能です。
これらの品質評価を行うことで、製造におけるトラブルの事前予測やコストダウンに活かしていただけるデータが収集出来ると考えられます。御社での原料開発、選鉱性能チェック、品質管理にぜひご利用ください。
このページの情報に関するお問い合わせは、当社伊丹事業所までお願いいたします。

