分光エリプソメトリー(測定方法・解析方法)

測定原理・特徴解析方法関連ページ

測定原理・特徴

−何を測定しているのか−

エリプソメトリーは試料表面から反射される光の偏光状態の変化を測定します。測定値はプサイ:psi(Ψ)とデルタ:delta(Δ)で表されます。これらの値はp偏光とs偏光のそれぞれのフレネル反射係数RpとRsの比に関係しています。tan(Ψ)はp方向とs方向の複素反射係数の比の振幅に等しく、Δはpとsの反射係数の間の位相差となります。

ρ = Rp/Rs = tan(Ψ)e(iΔ)

<フレネル反射係数>
界面から反射されるか、あるいは界面を透過する光線の電界位相の振幅と位相の変化を記述する複素係数として定義されます。個々のフレネル係数はp偏光、s偏光の反射や透過を記述し、任意の偏光状態の光はp成分とs成分に分解されて処理されます。

図.エリプソメトリでの測定概要図

ページの先頭に戻る

−何を知る事ができるのか−

バルクおよび薄膜の近紫外〜可視〜近赤外域の波長(300 - 1700nm)で光学定数(屈折率n、消衰係数k)を決定します。また、単層膜や多層膜の膜厚(d)を決定します(数nm〜数μm)。

光学定数を示す適切なモデル関数のパラメーターを最適化することにより、測定されたpsi及びdeltaの実測値を再現する光学定数を決定します。分光エリプソの測定におけるΨとΔは、比を測定しているので高い精度と再現性が良いことが特徴です。

解析では代表的なモデル関数として以下のもの使用します。

Cauchyモデル 透明体、透明膜など
Lorentzモデル 金属膜、透明導電膜など
Parameterised Semiconductorモデル 半導体材料、透明膜など

膜構造のモデル解析として以下のようなものがあります。

EMA解析 表面凹凸、変質層
Graded解析 光学定数の深さ方向解析
膜厚不均一解析 膜厚の不均一性を加味した解析

<モデル関数>
光学定数は一般的に波長に対してなめらかな関数で実部と虚部にKramers-Kronigの関係という因果関係があります。このため、多くの物質の光学定数は関数の形でモデル化することが可能です。

ページの先頭に戻る

解析方法

エリプソメトリーでは、膜厚や光学定数を測定するのではなく、Ψ、Δを測定しています。試料に関する情報を取り出すには、Ψ、Δのモデル依存解析を実行する必要があり、以下の手順にて実施しております。

1) モデルの構築

指定された膜厚の層からなり、各層は光学定数を持つ。

モデル図

2) 実測の測定データ

エリプソメトリーで測定したΨ、Δデータ、光学特性から得られた光学定数など。

モデルから、予想データを算出

3) モデル生成データ

モデルの構造と光学特性を使用して、予測データを計算する。スネルの法則やフレネル方程式、または薄膜干渉式、光学モデルなどを使用する。

4) フィッティング

モデル生成データと測定データの比較、モデル・パラメーターを調整し、その差を最小限に抑え、光学定数を算出する。

ページの先頭に戻る

関連ページ

分光エリプソメトリーの解析事例は、以下のページをご覧ください。

解析事例−1(TiO2膜)

解析事例−2(ITO膜)

このページの情報に関するお問い合わせは、当社四日市事業所までお願いいたします。

ページの先頭に戻る