分光エリプソメトリー(解析事例−2)
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ガラス基板上のITO膜−屈折率分布モデル
ガラス基板上に成膜されたITO膜の解析例を以下に示します。ITO膜は成膜方法(成膜装置:真空蒸着装置、スパッタ成膜装置、あるいは他の成膜方法など)の条件の違いによって、その結晶性(配向性、成長速度や結晶組織、あるいは結晶化度など)が変化するため、得られる光学定数値についても成膜条件や装置の違いに応じて様々です。特に結晶成長に伴って生じると考えられる膜厚方向の密度の変化に対しては、光学定数値も深さ方向に分布を持つことがしばしばあります。
解析手法
| 評価サンプル | ソーダ石灰組成のガラス基板上のITO膜 |
|---|---|
| 測定内容 | エリプソメトリー評価 PsiおよびDeltaデータの収集 分光光度計評価 透過率と反射率のデータ収集 |
解析手順
- 基板の光学定数を事前に評価しておきます(あるいはデータベースの値を使用します)。
- 各測定データを呼び出します。
- 膜構成モデルを構築します。
最下層に基板の光学定数層を呼び出し、その上にITO膜を解析するためのモデル関数を積層します(通常はLorentzモデル関数を使用します)。 - 基板の厚みを入力します。
- ITOモデル関数のパラメータ初期値を入力します。
- 実測データに対してフィッティングを開始します。
- MSE(最小二乗誤差)が最小となったら解析終了です。
- 実測値に対して十分にフィッティングしない際には膜構造の再構築を行います。
- 深さ方向の分布を考慮する際には、ITO層上層にgraded層を積層します。
- Lorentzモデルとgraded層の初期値を入力してフィッティングを開始します。
- MSE(最小二乗誤差)が最小となったら解析終了です。
<Lorentzモデル関数>
Lorentz層は簡単に表現すると、クラマースクローニッヒの式に一致するひとまとまりの吸収ピークを表しているといえます。それぞれのLorentz振動子の組み合わせで波長分散特性を示します。各振動子のモデル以下式で示されます。
| Ak | :振幅 |
| Bk | :中心エネルギー |
| εl∞ | :追加オフセット項 |
| hν | :フォトンエネルギー(eV) |
<クラマースクローニッヒの関係>
複素屈折率(複素誘電関数)の実部と虚部は独立した数量ではなく、実部と虚部にはある関係式が成り立ちます。言い換えれば、もし、光学定数の吸収スペクトルが分かているとしたら、屈折率を求めることは理論的には可能といえます。
ITO膜の分光エリプソでの解析例
光学定数(波長分散データn、k値)はテキスト形式に変換してお渡しすることが可能です。
関連ページ
分光エリプソメトリーの測定・解析方法と他の解析事例は、以下のページをご覧ください。
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